2020年のゴールデンウーク、キクさんは絶不調でした。
5日程毎日吐いていました。
最初は毛玉やごはん、そのうち、水を飲んだ後に水を吐くようになり、鈍感な飼い主もさすがにおかしいと思い、5月5日に動物病院を予約、翌日診察をしてもらいました。
毎年の健康診断では大暴れをしてキャリーに詰め込むのが通院の大変さのピークでしたが、今回は不意を突かれたのと、嘔吐が続いて体力がなかったのとで(後に脱水と診断)、すんなりと猫用ネットにくるんでキャリーに入れることができました。
病院では、異物を食べた形跡はないか、と聞かれましたが、キクさんは人間の食べ物にも興味が無く、盗み食いもしない猫なので、その可能性は低いです。
その事を伝え、さっそく通常の血液検査+膵炎の検査の2つを同時にしてもらいました。
血液を採取中もいつもよりおとなしく、検査結果が出るまでレントゲンを撮って貰うことに。。。
いつもなら大騒ぎになる所が、看護師さんにおとなしく抱っこされてレントゲン室へ連れて行かれるキクさんを見ていると、本当に元気が無いんだなと痛感しました。
しかし、この時まで飼い主は「毛玉が詰まった?」などと考えていたので、気楽に診察室でキクさんの帰りを待っていました。
レントゲンを終え帰ってきたキクさんと一緒に検査結果を待っていると、先生が
「原因が分かりましたよ!」
と言って入ってきました。
あ〜、原因分かって良かった〜、と顔が緩んだところで、
「慢性腎不全ですね」
え?
腎不全て、あの猫さんがかかりやすい、直らない病気?
1年前の健康診断では大丈夫だったのに?
間違いなんじゃない?
目の前が真っ暗になりました。
以下が異常の出た数値です。
項目名 | 検査結果 | 基準値 | 個別評価 |
---|---|---|---|
RBC 赤血球数 |
10.15
|
5〜10
|
真性多血症・二次性多血症 |
HGB ヘモグロビン濃度 |
16.2
|
9〜15.1
|
真性多血症・二次性多血症 |
HCT ヘマトクリット |
51.0
|
30〜45
|
真性多血症・二次性多血症・脱水 |
GLU グルコース |
183
|
74〜159
|
ストレス・糖尿病・膵炎 |
BUN 尿素窒素 |
54
|
16〜36
|
腎不全・脱水・心臓病 |
CRE クレアチニン |
6.1
|
0.8〜2.4
|
腎不全・尿毒症 |
BUN/CRE |
9
|
腎臓に関する項目は、尿素窒素、クレアチニンです。
尿素窒素
肝臓から排出される代謝産物で、腎機能の低下や消化器内出血などで上昇。また、肝機能の低下により減少することも。
クレアチニン
肝臓から排出される代謝産物で、腎機能が激しく低下すると上昇します。低下は著しい筋肉の減少。
先生によると、数値が下がっている段階で腎機能の約75%は失われており、残り約25%しか機能していないとのこと。
今後は、残りの25%をいかに維持して行くかの対策になるそうで、今からか明日から入院して点滴をする方向になりました。
この話をしている間にも、キクさんは肩甲骨あたりに針をさされ、おとなしく点滴をされています。
皮下点滴というものらしく、点滴の薬剤が皮膚にラクダのコブのように溜まって行き、そのあとじわじわと吸収されるようです。
腎不全発覚時の処置はとても重要らしく、先生によると、以下の順で効果が高いそう。
効果★★★:静脈点滴入院
効果★★:静脈点滴通院
効果★:皮下点滴通院
静脈点滴は、人間と同じく腕に針を刺して点滴をする方法です。
静脈点滴入院の場合は、病院に入院してずっと針を刺したまま点滴をします。
静脈点滴通院は、夜になったら点滴のみ外し、点滴用管を腕に残したまま家へ帰り(エリザベスカラー必須)、翌朝からまた病院で点滴をします。
皮下点滴通院は、上記のラクダのコブ状態の点滴です。10分もあれば終わります。
キクさんはとっても内弁慶で、家にお客さんが来るだけで押し入れに隠れてしまう性格です。
入院なんてとても無理そう。。。
しかし、今すぐ決断をしなくてはいけません。
いつもは乗らない猫用ホットカーペットに乗っています。
明らかに辛そう。