それって腎臓病(腎不全)かも!?うちの猫はこんな症状でした

2020年7月23日

猫に多い病気の一つ、腎臓病(腎不全)。

急性腎臓病(急性腎不全)の場合は、急激に症状が悪化し、1日で亡くなってしまうことがあるそうです。

それに対し、慢性腎臓病(慢性腎不全)は長い期間をかけて徐々に腎臓が疲弊していく病気です。
血液検査で異常値が出たときには、すでに機能の75%は失われているそうです。
腎臓は一度壊れてしまうと回復することはなく、以降はいかに今の機能を維持できるかにかかっています。
そのため、早めに異常を察知して病院へ行くことが大切です。
今症状が無くても、腎臓の機能がどのぐらい残っているかも調べることができます。

我が家の猫も慢性腎臓病で、毎日の投薬と、3日に1度の皮下点滴が必須です。
それにより今まで通りの生活ができていますが、これから一生この生活です。
いつ悪化するかも分かりません。

こうならないためにも、まずは予防・早期発見するのが重要です。

※以下、腎不全は腎臓病で表記を統一して記述します。

 

一般的に言われる慢性腎臓病の症状

一般的には、腎臓病の症状として以下のものがあげられるようです。

  • 飲水量が増え、多飲多尿になる。
  • 尿の匂いが薄くなる。
  • 体重減少
  • 嘔吐
  • 貧血
  • 尿毒症(元気消失、嘔吐、下痢、痙攣)
  • 毛ヅヤが悪くなる
  • 口臭
  • 便秘

1つや2つなら、どんな猫にも当てはまることが多い症状だと思います。
少し判断が難しいですね。

 

うちの猫の症状

そこで、うちの猫の具体的な症状を挙げてみたいと思います。

 

1. 慢性腎臓病発見のきっかけ【嘔吐】

我が家の猫キクさんは、病院に行く1週間ぐらい前から、とにかくよく吐くようになりました。

最初は、毛玉などが入ったものではなく、透明な少し粘度があるようなものを吐いていました。
量も少な目で、縛り出すように少しだけ吐いたという感じです。
毛玉を出したいのに出ないのかな?と思っていました。

消化されたフードなどは、少ししか吐いていませんでした。

そんな少しの嘔吐を5日ぐらい続けていたのですが、しばらくすると水を飲んだ後に、水そのものをゴバァーッと吐くようになったのです。

2日ほど何度も大量に水っぽいものを吐くので、さすがにおかしいと思い病院へ行きました。
そこで血液検査をして、腎臓の数値が著しく悪くなっているのが発見されました。

キクさんは、2年ほど前まで1度ぐらいしか吐いたことがない猫でした。
その1度も、間違っておもちゃの一部をかじって飲み込んだときに吐いた事で、それ以外で毛玉を吐くことはほぼなかったのです。
それが、こんなに吐くようになったので、さすがにおかしいと思いました。

もう1匹のウメさんはよく吐く猫なのですが、その吐き方とは全く違いました。

よく吐く猫は、ごはんが急激にお腹で膨れて吐いてしまうことがほとんどだと思います。
ごはんがそのままの状態で出てくる感じです。

キクさんが慢性腎臓病で吐いていたときは、とにかく水っぽいもの(泡が混じっている)が多かったです。
それから、黄色の胆汁のようなもの。

腎臓の機能が落ち、尿毒症が進んで胃腸の状態も悪くなっていたようです。

血が混じっている嘔吐物など、明らかに異常なものは吐いていませんでした。
ネットで「気をつけたい嘔吐」には当てはまらないものばかりしでしたので、色んな情報に振り回されるよりも、まずは病院へ行くのが一番だと痛感しました。

 

2. 今思うと怪しい症状【寝てばかりいる】

もともと遊ぶことも少ないキクさんなのですが、そういえばここ半年ぐらいは寝てることが多いな、と思っていました。
年取ったから?と思っていましたが、まだ9歳。
シニアですが、そこまでのお年寄りではありません。

病院へ行って薬と点滴を始めて、症状の落ち着いた現在、夜になるとバタバタと遊ぶことも増えてきました。
やはり、元気がなかったのかな?と思います。

 

3. 今思うと怪しい症状【食欲が無い】

キクさんはとにかくよく食べる猫です。
おやつのフリーズドライササミの入っている保存容器の蓋が「パカッ」と開く音を聞くと、すぐに台所へやって来るような猫でした。

それがここ1年ほどは、「パカッ」としても来なくなり、ごはんの時間にお皿を出しても無視することが多くなってきました。
そして、ごはんを残す事も多くなっていました。

それでも、少しずつポリポリ食べているようで、体重もそんなに変わらない。むしろ少し増えたぐらいでした。
今にして思うと、少ししか食べていないのにそれを上回るほど動いていないので、体重が増えたのだと思います。

 

4. 実は結構当てはまる!【口臭がするようなった】

1年ほど前までは、ほぼ口臭がなかったのです。
それが、少しずつお口が臭くなり、病院に行く頃には結構匂うようになっていました。
生臭いような口臭です。
年をとって歯石も溜まり始めたのかと思っていたのですが。。。

実は慢性腎臓病が発覚してから早3ヶ月弱、現在は明らかに口臭がマシになってきたのです。

歯磨きもしていないので、確かに少しは匂いますが、「くさ〜い」という程でもなくなってきました。

ネットで検索すると、腎臓病が分かった時にはとても口臭があったのに治療をし始めてからマシになった、という記事が他にもあったのです。
やはり、口臭の原因に腎臓病が隠れている可能性は高いです!

ネットの記事や本では、慢性腎臓病の症状の中には「口臭」が含まれていないものも多くあります。
見逃しやすい症状かもしれません。

お口が臭くなってきたようなら、一度血液検査で腎臓の数値を調べることをオススメします。

 

腎臓病が分かった時の処置

まずは入院が第一の選択になります。

点滴をする必要があるのですが、点滴の方法によりかなり効果の差があります。

静脈点滴入院:効果★★★
静脈点滴通院:効果★★
皮下点滴通院:効果★

静脈点滴は、人間と同じく腕に針を刺して点滴をする方法です。
静脈点滴入院の場合は、病院に入院してずっと針を刺したまま点滴をします。
静脈点滴通院は、夜になったら点滴のみ外し、点滴用管を腕に残したまま家へ帰り(エリザベスカラー必須)、翌朝からまた病院で点滴をします。
皮下点滴通院は、肩甲骨のあたりの皮下に一気に点滴をし、ラクダのコブのような状態にする点滴です。点滴自体は10分もあれば終わります。皮下に溜まった輸液は、比較的早めに体内へ吸収されます。

人見知りな猫や、病院が怖い猫にとっては、入院は精神的にかなり辛いです。
うちのキクさんも、家族以外に絶対気を許さない猫なのですが、最初は効果の高い「静脈点滴入院」を選択しました。

参考
③慢性腎不全で静脈点滴入院開始!

2020年5月7日。 いよいよ入院です。 朝9:30、診察台でエリザスカラー装着後、点滴用の管が差し込まれます。 キクさ ...

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2泊ほどの予定でしたが、飲まず食わずの状態が続いたため、結局1泊で帰ることになりました。それでも1泊の内で一時的に「尿素窒素」・「クレアチニン」とも正常値になったので効果の高さが分かります。

入院から2ヶ月経った現在は、療法食+3日に1度の皮下点滴+朝晩の投薬(ラプロス)にて、何とか正常値に近い値を維持しています。

 

腎臓病の疑いを調べる方法

腎臓が悪くなっているかは、血液検査の「尿素窒素」・「クレアチニン」の数値で分かるのですが、恐ろしいことに、腎臓の機能が77%まで失われるまで異常値が出ないそうです。
このことは、うちのキクさんが腎臓病になって初めて知りました。

キクさんも毎年血液検査をしていましたし、腎臓病と言われたときは「え?去年の血液検査は大丈夫だったのに!」と怒りさえ覚えました。

後から、今までの健康診断の結果を見てみると、「尿素窒素」・「クレアチニン」の数値が上限に近い値になっていました。
もしかしたら、すでに腎臓の機能はかなり下がっていたのかもしれません。

最近では、「SDMA(腎臓のバイオマーカー)」という特殊な血液検査により、腎臓の機能の状態が詳しく分かるようになったらしいです。
1,500円前後が相場のようなので、気軽にできる価格です。
シニアと呼ばれる世代にさしかかったら、通常の血液検査に「SDMA」をプラスした方が良さそうですね。
動物病院でも、健康診断には通常の血液検査の項目に「SDMA」を必須にしてもらいたいところです。
せっかく、病気になる前に!と受けている健康診断が、役に立たないのでは意味がありませんから。

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