2023年の年末に、病理検査で大腸腺癌が発覚。
手術になるのか?。。。
大腸腺癌とは?治療方法は?
大腸腺癌とは、大腸にできた転移のしやすい悪性の腫瘍です。
猫では小腸にできる腺癌の方が多いようです。
主な症状は嘔吐、下痢、食欲不振、貧血ですが、
大腸の場合は便秘や血便で分かる事もあります。
癌にも色々な種類がありますが、気になるのは治療法です。
抗がん剤で根治治療できる癌はリンパ腫などがあります。
そして、腺癌ですが、腺癌で根治治療が可能な方法は外科手術しかないようです。
腺癌に対して抗がん剤治療をしている猫ちゃんもいるかと思いますが、
それにより腺癌が無くなるということはないのです。
今より辛い状態にならないように。。。そんな感じです。
手術しなくても良い抗がん剤ですが、リスクもあります。
副作用はもちろんですが、それよりも怖いのは
抗がん剤を点滴中に針がずれるなどして血管の外に漏れてしまうことです。
劇薬ですので、漏れるとその部分の組織が壊死してしまいます。
そうすると、最悪の場合、腕を切断することになります。
ペットの性格によっては(暴れる、落ち着きがないなど)、
そのリスクにより抗がん剤治療が難しいことがあるようです。
大腸腺癌の手術方法
では、大腸の腺癌を切除する場合、
どのような方法になるかというと。。。
キクの場合は、肛門から5cmと、結構骨盤の奥の方に腫瘍があるので、
お腹を開いても腫瘍の部分まで指が届かない場合は、
骨盤を切って開くことになります。
骨盤を切って、筋肉を外してから、
腸の部分の切除をして戻すという手順です。
骨盤を切るので、術後の回復はかなり遅くなるようです。
入院も長引きそうです。
もしかしたら、腸を引っ張って手術できれば
骨盤はそのままで手術を終わらせられるかもしれないのですが、
それは手術してからでなくては分かりません。
実は、その方法以外にも手術方法がないのか調べていました。
ネットで検索すると、開腹せずに肛門から腸を引っ張り出して腫瘍を取り除く
「プルスルー法」というものがヒットしましたので、
その術式について、担当の先生に質問すると、
昔はよくダックスフンドの肛門線の手術でよくやっていたとのことでした。
猫ではやったことはないようです。
先生も、同じページを読んでくれていたようで、
肛門に近い部分の癌だったら、プルスルー法でできるかもしれないと言っていました。
ただ、問題があります。
キクの場合、尿路結石もあるので、一緒に手術することになります。
プルスルー法を選択した場合は、
まず結石を取ってからお腹を閉じて、肛門から腸を引っ張って腫瘍を取ります。
しかし、キクの腫瘍は肛門からだと少し遠い部分にあり、
引っ張り出して腫瘍をすべて取りきれるかが微妙な場所にあるみたいなのです。
プルスルー法でも、普通の手術でも取りにくい、
微妙な距離にある腫瘍。。。
そのため、もし引っ張り出して無理だった場合は、
もう一度お腹を開いて切除しなくてはいけません。
その時は、肛門部分を切っているので、
お腹の中で腸を引っ張ることはできません。
100%、骨盤は切ることになります。
普通の手術でも、プルスルー法でも、
あまり引っ張りすぎると直腸が壊死することもあるので、
引っ張りすぎることもできないようで。。。
悩みましたが、プルスルー法はしないことに決めました。
何とか直腸を引っ張って、腫瘍を切除できることを祈るばかりです。
手術をしない選択も?
実は手術をしない選択も考えていました。
骨盤を切ることになる最悪の状態を考えると、
術後の辛さ、長期の入院にキクは耐えられないと考えていたからです。
自分ではもう考えられなくなって、
ペットを飼っている友人に意見を求めたりもしました。
その中で、
「自分ならできることはやってあげたい。腫瘍は取ってあげたい。」
という意見で、何というか、目が覚めたというか
自分ができることって何だろうと考えたら、
手術を受けさせてあげることだけなのかも。。。と思えてきました。
先生にも、手術しないという選択もあるし、
飼い主が一番ペットのことを分かっているのだから
その選択が一番正しい、と言われました。
検査結果から手術日まで
2022年12月10日下痢パネル検査
2022年12月17日CT検査、内視鏡検査
2022年12月24日病理検査結果が出る
そして、
手術は2022年12月26日に決まりました。
先生からの手術日候補を聞いて「え??」と思いました。
手術するにしても、1〜2週間は先だと思ったからです。
今思うと、一刻も早く取り除いた方が良かったからだと思います。
転移しやすい癌なので。